高齢者の視界を邪魔するようなものがあると、転倒事故を招く要因となってしまう。
介護施設での利用者の転倒を防ぐため、高齢者にとって歩行の妨げとなる可能性のあるもの、例えば家具や観葉植物などを取り除くことが重要である。
特に手すりやスロープ周辺を要チェックにしよう。
また、手すりの周辺や階段など、ぶつかりやすい場所などに障害物がないかも改めて確認する必要がある。

床上にあるものに躓いて転倒してしまうケースも少なくない。
道路上に設置されている障害物以外にも、床に落ちているものに注意する必要がある。
例えば、コンセントのコードや掃除用のホース、延長コードなどは、足が引っかかりやすいため危険である。
そのようなコードは使用しない場合はすぐに片付ける、使用する場合は通路をさえぎる形で使用しないなど、施設内での管理方法に注意しなければならない。

転倒の危険性が高い場所として、手すりがない廊下が挙げられる。
特に歩行にふらつきが出やすい高齢の施設利用者にとっては、手すりの設置が必要不可欠である。
廊下やトイレなど高齢者の歩行の可能性がある場所には、手すりの設置をおすすめする。
既存の手すりに不具合が起こっている場合には、しっかり補修することが大切だ。

施設内の床は、わずかな段差であっても転倒のリスクを高めてしまう。
年齢とともに筋力が衰える高齢者が利用することを想定して、敷居の高さやカーペットなどを工夫すると安心だ。
介護職スタッフであれば問題なく通過できるような1〜2cmくらいのわずかな段差であっても、高齢の介護施設利用者は転倒する可能性がある。